10代に読んでおいたら良いな、と思う本(第1回)

● プロローグ
 「もっと、絵のない本を読みましょう」
 小学校時代の通信簿に書いてあった先生から私へのメッセージだ。
 「週刊少年マガジン」「週刊少年サンデー」が創刊されたのは1959年。私が小学3年のころだった。「マガジン」派だった私は、毎週水曜日、10円玉4枚を握りしめ近所の本屋へ走った。マンガ以外の本は、当時の私にとって本ではなかった。学校の図書館から借りた本を読まなければならない時でも、できるだけ絵が多く、活字が少ないものを選んでいた。
 そんな私が本の面白さに気付き、「活字中毒者」への道を歩み始めたのは一体いつ頃からだったのだろうか。
 中学校の時、S君という友人に出会ったのが、そのきっかけだったように思う。彼は相当ませた子供だったので、私に様々なオトナの本を教えてくれた。彼が薦めてくれたのは、俗にいう大衆小説で、柴田錬三郎の時代小説『眠狂四郎シリーズ』や、大藪春彦のハードボイルド『野獣死すべし』といった作品だった。小遣いの少ない中学生が、毎週「マガジン」を買わなければならない上に、そうそう高価な本を買うわけにはいかない。結局、私は新潮文庫から出ていた『眠狂四郎シリーズ』の一冊をなんとか購入した。
 ところが、開けてビックリ、漢字が多い。時代小説なので、表現もピンとこない。それでも必死に背伸びをして、学校で彼とその本をネタに会話を交わした。彼との会話が潤滑油となって、どうにか読み続けられたように思う。
 私が「活字中毒者」に至るきっかけはマンガと大衆小説だった。その後、高校生になった私は、SF、ミステリ、純文学などのより多様な作品群に手を伸ばしていくことになる。
 活字世界への入り口は何であっても構わない。世のオトナたちが眉をひそめるような小説でもマンガでも。とにかく、活字に触れること。運が良ければ活字がもつ豪華絢爛たるイマジネーションの世界の一端に触れることができるだろう。そうなればしめたものである。あなたはしっかり「活字中毒者」予備軍に登録されるであろうから。
 さて、ここ5年ほどの間に読んだ本の中から、「自分が10代の時に読めれば良かったのになぁ」と感じた小説などを次回以降、数回に渡り紹介していこうと思う。
 文庫本になっていて(廉価で)、とにかく面白い本であることを第一義として紹介する作品を選んだ。
 私が紹介した本をお読みになった方から「面白くなかった」という苦言を頂戴するかもしれない。その場合はどうか、ご容赦願いたい。
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プロフィール

●ミネルバネオ代表 石橋武
【経歴】
1974年/立命館大学経営学部を卒業し、㈱大阪読売広告社に入社
1994年/現代文講師出口汪氏と大学受験予備校S.P.Sを立ち上げるべく、㈱大阪読売広告社を退社。㈱ミネルバ代表取締役として、大阪、後に東京で大学受験予備校S.P.Sを経営。
2002年/大阪のS.P.Sにて、出口氏が開発した教材「論理エンジン」を使用した個人のお客様向け添削業務や国語特訓塾、学校様・塾様向けの「論理エンジン」販売や指導方法のレクチャーを開始。
2007年5月/㈱水王舎代表取締役に就任し、「論理エンジン」営業のみならず、書籍の企画・販売にも携わる。
2011年2月、㈱水王舎代表代表取締役を退任。
2011年8月/ミネルバネオを設立
趣味は読書、映画鑑賞。MC中心のお笑いオヤジバンドの一員でもある。

●共同執筆者(ペンネーム:モシャ)プロフィール
甲南大学を卒業しました。
ミネルバネオで働いています。
30代半ばを過ぎてしまいました。
よく聴く音楽はプリンス、レディオヘッド、シールなどです。
親戚は人間国宝(陶芸)です。ちなみに私の父方の祖父も陶芸家でした。

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