文章「謎のメッセージカード」・漫画005シリーズ第22話「持つべきものは」

 大人だというのに、クリスマスが楽しみで仕方ない。大抵その日は、家でチキンを焼く。塩焼きにするか、照り焼きにするかは、毎年気分次第である。熱心な信者ではないものの、実家は浄土真宗を信仰しており、寺を経営している僧侶の親戚もいる。なので、クリスマスを祝うのは筋違いなのかもしれない。が、自ずと心が浮き立つ。クリスマスのイルミネーションを見て、クリスマスツリーを見て、血が騒ぐ。チキンが塩味で、単なるモモの塩焼きであっても、「クリスマスっぽい」と無理矢理思うとテンションが上がる。
 クリスマスといえば、高校時代に付き合っていた彼氏からもらったプレゼントに纏わる件を今でも忘れられない。プレゼントは、確かスノーマンの人形だった。人形が入った紙袋には、メッセージカードが添えられていた。私は、内心「うわっ。メッセージカードだ。どんなことが書かれているのだろう」とかなり期待して、カードを開いた。そして、驚いた。何と、そこには何も書かれていなかったのである。
 自分で好きな言葉を書けという意味なのだろうか?
 それとも、まさかの嫌がらせか?
 いや、もしかしてあぶり出し?
 数日間、私は悶々とした。が、後日彼氏に聞いてみると、単に「早く渡そうと思って、書くのを忘れた」とのことだった。あの時、もし書いてくれていたなら、そこにはどんな文字が並んでいたのだろうか。もう永遠に見ることは叶わない。ただそれが、残念でならない。
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 次回のモシャ・ブログは、文章「美しい日々」と漫画005シリーズ第23話「時代の気分」・第24話「福を手にせよ、005」の予定です。
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プロフィール

●ミネルバネオ代表 石橋武
【経歴】
1974年/立命館大学経営学部を卒業し、㈱大阪読売広告社に入社
1994年/現代文講師出口汪氏と大学受験予備校S.P.Sを立ち上げるべく、㈱大阪読売広告社を退社。㈱ミネルバ代表取締役として、大阪、後に東京で大学受験予備校S.P.Sを経営。
2002年/大阪のS.P.Sにて、出口氏が開発した教材「論理エンジン」を使用した個人のお客様向け添削業務や国語特訓塾、学校様・塾様向けの「論理エンジン」販売や指導方法のレクチャーを開始。
2007年5月/㈱水王舎代表取締役に就任し、「論理エンジン」営業のみならず、書籍の企画・販売にも携わる。
2011年2月、㈱水王舎代表代表取締役を退任。
2011年8月/ミネルバネオを設立
趣味は読書、映画鑑賞。MC中心のお笑いオヤジバンドの一員でもある。

●共同執筆者(ペンネーム:モシャ)プロフィール
甲南大学を卒業しました。
ミネルバネオで働いています。
30代半ばを過ぎてしまいました。
よく聴く音楽はプリンス、レディオヘッド、シールなどです。
親戚は人間国宝(陶芸)です。ちなみに私の父方の祖父も陶芸家でした。

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