石橋 武の「多読乱読、言いたい放題!」005

 私が今まで読んだ本のうち、印象に残った本を紹介しています。

● 堀江敏幸『河岸忘日抄』
 2005年作品。
 不思議な読後感。勿論エンターテイメントではないから、次はどうなるんだろうとか、主人公はこの苦境をどう脱するんだろうとか思いながらページを目まぐるしく繰るような小説ではない。
 だから、相当時間がかかった。いや、かけた、と言う方が正確か。毎晩、就寝前のひととき、ソファに寝っ転がって数ページ読んだ。主人公の思索をなぞるように言葉を追う。言葉が静かに入り込んでくる。何かを考えさせるのではなく、何も考えない状態。ただ言葉と静かに戯れる。尖っていた神経が円やかになっていく。この過程が良い。決して「退屈」とか「面白くない」というのではない。逆に、「面白すぎる」位だ。本を閉じ、寝室へ。気持ちの良い眠りが私に訪れる。名付けて「睡眠誘導本」。売らずにしばらく側に置いておこう。

 次回は、村上春樹著『1973年のピンボール』の予定です。
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プロフィール

●ミネルバネオ代表 石橋武
【経歴】
1974年/立命館大学経営学部を卒業し、㈱大阪読売広告社に入社
1994年/現代文講師出口汪氏と大学受験予備校S.P.Sを立ち上げるべく、㈱大阪読売広告社を退社。㈱ミネルバ代表取締役として、大阪、後に東京で大学受験予備校S.P.Sを経営。
2002年/大阪のS.P.Sにて、出口氏が開発した教材「論理エンジン」を使用した個人のお客様向け添削業務や国語特訓塾、学校様・塾様向けの「論理エンジン」販売や指導方法のレクチャーを開始。
2007年5月/㈱水王舎代表取締役に就任し、「論理エンジン」営業のみならず、書籍の企画・販売にも携わる。
2011年2月、㈱水王舎代表代表取締役を退任。
2011年8月/ミネルバネオを設立
趣味は読書、映画鑑賞。MC中心のお笑いオヤジバンドの一員でもある。

●共同執筆者(ペンネーム:モシャ)プロフィール
甲南大学を卒業しました。
ミネルバネオで働いています。
30代半ばを過ぎてしまいました。
よく聴く音楽はプリンス、レディオヘッド、シールなどです。
親戚は人間国宝(陶芸)です。ちなみに私の父方の祖父も陶芸家でした。

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