文章「愛される大仏」・漫画005シリーズ第31話「妹のこと」
母方の祖母は、つい最近まで、大仏様のような、とてもキツいパーマをかけていた。私が幼少の頃からずっとその髪型だったため、私は違和感を覚えずに育った。
しかし、高校生になった私は、「父方の祖母や知り合いのおばさんたちは、大仏パーマなどかけていない」ということに突然気づいた。それで不思議に思い、ある日、「キツうかけてもろたわ」と満足している美容院帰りの祖母に問うた。
「おばあちゃんは、なんでパーマをキツくかけるん?」
祖母は、微笑んでいた。
「シャンプーとかする時に、楽やからや」
わかったような、わからないような。私は、「ふーん」と首を傾げた。
その約10年後。私は、母方の祖父母が地震後、焼失した実家が建っていた場所から少し離れた場所にある仮設住宅に入居していた時の話を、母から聞いて驚いた。その頃、祖母は75歳くらいだった。なのに、祖父が居ない時を見計らって祖母に贈り物をくれる、同じ仮設に住む、おじいさんがいたらしい。ある時は花を、そして、またある時はメロンを。
「はぁ? メロン?」
私が叫ぶと、母は苦虫を噛みつぶしたような顔で、「そんなん、貰うなって感じや」と吐き捨てた。祖母は、どうやらモテるようだった。
いや、モテるのではなく、もしかすると、大仏様へのお供え物…。



次回のモシャ・ブログは、文章「愛と幻想にまみれた私の休日」・漫画005シリーズ第32話「帽子ネコの休日」の予定です。
しかし、高校生になった私は、「父方の祖母や知り合いのおばさんたちは、大仏パーマなどかけていない」ということに突然気づいた。それで不思議に思い、ある日、「キツうかけてもろたわ」と満足している美容院帰りの祖母に問うた。
「おばあちゃんは、なんでパーマをキツくかけるん?」
祖母は、微笑んでいた。
「シャンプーとかする時に、楽やからや」
わかったような、わからないような。私は、「ふーん」と首を傾げた。
その約10年後。私は、母方の祖父母が地震後、焼失した実家が建っていた場所から少し離れた場所にある仮設住宅に入居していた時の話を、母から聞いて驚いた。その頃、祖母は75歳くらいだった。なのに、祖父が居ない時を見計らって祖母に贈り物をくれる、同じ仮設に住む、おじいさんがいたらしい。ある時は花を、そして、またある時はメロンを。
「はぁ? メロン?」
私が叫ぶと、母は苦虫を噛みつぶしたような顔で、「そんなん、貰うなって感じや」と吐き捨てた。祖母は、どうやらモテるようだった。
いや、モテるのではなく、もしかすると、大仏様へのお供え物…。



次回のモシャ・ブログは、文章「愛と幻想にまみれた私の休日」・漫画005シリーズ第32話「帽子ネコの休日」の予定です。