石橋 武の「多読乱読、言いたい放題!」022
私が今まで読んだ本のうち、印象に残った本を紹介しています。
● 村上春樹『ノルウェイの森』
1987年秋、ハードカバーが出た時点で読んだ。その時の印象は、「村上春樹らしくない」と相当厳しい点を付けた。今回読み返してみて、こんな面白い小説だったのかと驚いた。今はじめて、この物語と素直に対峙できた気がする。これは、生(=性)と死、その境界上で彷徨う魂の記録なのだ。村上文学の根本命題「死を含んだ生を生きることとは?」をストレートに著した小説だ。彼がメタファーとして常に書き続けている人物像の原型をここに見ることができる。そして、「死」を乗り越えたと思える主人公が現実世界に帰ろうとしたとき、現実(=緑)からこう言われる。「あなた、今どこにいるの?」。この問いは物理的な「どこ」を尋ねているのではない。そして主人公は「僕はどこでもない場所の真中から緑を呼びつづけ」るのだ。
★モシャの呟き
高校時代、「『ノルウェイの森を買った』って言ったら、お母さんに『読んだ後に貸して』って言われてん。俺はもう読み終わってんけど、どうしよ」と彼氏が悩んでいました。
確かに。高校時代にああいう描写があるこの小説をお母さんに貸すのは気が引けますね。ムフフのフ。
● 村上春樹『ノルウェイの森』
1987年秋、ハードカバーが出た時点で読んだ。その時の印象は、「村上春樹らしくない」と相当厳しい点を付けた。今回読み返してみて、こんな面白い小説だったのかと驚いた。今はじめて、この物語と素直に対峙できた気がする。これは、生(=性)と死、その境界上で彷徨う魂の記録なのだ。村上文学の根本命題「死を含んだ生を生きることとは?」をストレートに著した小説だ。彼がメタファーとして常に書き続けている人物像の原型をここに見ることができる。そして、「死」を乗り越えたと思える主人公が現実世界に帰ろうとしたとき、現実(=緑)からこう言われる。「あなた、今どこにいるの?」。この問いは物理的な「どこ」を尋ねているのではない。そして主人公は「僕はどこでもない場所の真中から緑を呼びつづけ」るのだ。
★モシャの呟き
高校時代、「『ノルウェイの森を買った』って言ったら、お母さんに『読んだ後に貸して』って言われてん。俺はもう読み終わってんけど、どうしよ」と彼氏が悩んでいました。
確かに。高校時代にああいう描写があるこの小説をお母さんに貸すのは気が引けますね。ムフフのフ。