石橋 武の「多読乱読、言いたい放題!」057

 私が今まで読んだ本のうち、印象に残った本を紹介しています。

● スティーヴ・ハミルトン『解錠師』
 この作品は、非常に優れた犯罪小説であると同時に、非常に優れた青春小説でもある。
 物語は監獄に収監されている主人公が、過去を振り返る形で語られる。それも二重構造で。一つは幼少期に忌まわしい事故(事件)があり、言葉を発しなくなった主人公が高校生の時に何故プロの解錠師の道を選ばざるを得なくなったのかであり、もう一つはプロの解錠師としての冒険潭だ。これらが交互に語られることにより、読者は原因とそれに基づく主人公の思考、そして招来する結果を行き来することになる。読者は主人公の心の奥深くまで知ることになり、結果として、容易に主人公に感情移入できるようになる。
 彼にその道を選ばせる要因となった少女・アメリアとの一途な恋が良い。ラスト、収監されている主人公と彼女が漫画で手紙のやり取りをする。ウエディング・ドレス姿の彼女が、周りの右往左往を尻目に結婚式から逃げ出す。目指したのは主人公が幼少期に育った家の近くを流れる川。そして……。
 爽やかな余韻とともにこの作品は幕を閉じる。

★モシャの呟き
 「アメリア」という名に聞き覚えがあると思いました。
 が、違いました。私が思い出していたのは、『母をたずねて三千里』というアニメに出てくる、猿の「アメデオ」でした…。
 人じゃないし!!
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プロフィール

●ミネルバネオ代表 石橋武
【経歴】
1974年/立命館大学経営学部を卒業し、㈱大阪読売広告社に入社
1994年/現代文講師出口汪氏と大学受験予備校S.P.Sを立ち上げるべく、㈱大阪読売広告社を退社。㈱ミネルバ代表取締役として、大阪、後に東京で大学受験予備校S.P.Sを経営。
2002年/大阪のS.P.Sにて、出口氏が開発した教材「論理エンジン」を使用した個人のお客様向け添削業務や国語特訓塾、学校様・塾様向けの「論理エンジン」販売や指導方法のレクチャーを開始。
2007年5月/㈱水王舎代表取締役に就任し、「論理エンジン」営業のみならず、書籍の企画・販売にも携わる。
2011年2月、㈱水王舎代表代表取締役を退任。
2011年8月/ミネルバネオを設立
趣味は読書、映画鑑賞。MC中心のお笑いオヤジバンドの一員でもある。

●共同執筆者(ペンネーム:モシャ)プロフィール
甲南大学を卒業しました。
ミネルバネオで働いています。
30代半ばを過ぎてしまいました。
よく聴く音楽はプリンス、レディオヘッド、シールなどです。
親戚は人間国宝(陶芸)です。ちなみに私の父方の祖父も陶芸家でした。

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