石橋 武の「多読乱読、言いたい放題!」071

 私が今まで読んだ本のうち、印象に残った本を紹介しています。

● 筒井康隆『壊れかた指南』
 2006年上梓。
 変幻自在である。一般的な小説、と私たちが考えるもの、そう考えることに何の違和感も持たないものも、確かに数編紛れ込んでいる。しかし、それとて、解説氏曰く「怖い」。どこか尋常でない部分が、分かる人には分かるように書かれているそうだ。
 この作品集に収められているものは、どれもそれなりに面白いのだが、心に奇妙な引っ掛かり方をした一編をあげるとしたら、『御厨木工作業所』だろう。一見、どこかの下町にありそうな普通の木工所なのだが、そこで交わされる「おう。ビアスが来るんだよ」で始まる会話が尋常ではないのだ。ビアスと言えば、1876年に死去したと言われている『悪魔の辞典』の作者だ。つまり、「木工」でもってタイムマシンを製造している。しかもアメリカとの共同作業で。この「下町の木工所での日常会話」というものと、科学の粋の結晶のような「タイムマシン」というものが持つイメージの落差が不思議な笑いを生む。このあたりは、もう筒井康隆の独擅場と言っても過言ではないだろう。

★モシャの呟き
 タイムマシンに乗りたいとは思いません。私は機械音痴なので、違う時代に行ったはいいが、帰ってこれなくなりそうです。
 なので、もしも乗る機会があるなら、必ずドラえもん同伴でお願いします。
最新記事
月別アーカイブ
プロフィール

●ミネルバネオ代表 石橋武
【経歴】
1974年/立命館大学経営学部を卒業し、㈱大阪読売広告社に入社
1994年/現代文講師出口汪氏と大学受験予備校S.P.Sを立ち上げるべく、㈱大阪読売広告社を退社。㈱ミネルバ代表取締役として、大阪、後に東京で大学受験予備校S.P.Sを経営。
2002年/大阪のS.P.Sにて、出口氏が開発した教材「論理エンジン」を使用した個人のお客様向け添削業務や国語特訓塾、学校様・塾様向けの「論理エンジン」販売や指導方法のレクチャーを開始。
2007年5月/㈱水王舎代表取締役に就任し、「論理エンジン」営業のみならず、書籍の企画・販売にも携わる。
2011年2月、㈱水王舎代表代表取締役を退任。
2011年8月/ミネルバネオを設立
趣味は読書、映画鑑賞。MC中心のお笑いオヤジバンドの一員でもある。

●共同執筆者(ペンネーム:モシャ)プロフィール
甲南大学を卒業しました。
ミネルバネオで働いています。
30代半ばを過ぎてしまいました。
よく聴く音楽はプリンス、レディオヘッド、シールなどです。
親戚は人間国宝(陶芸)です。ちなみに私の父方の祖父も陶芸家でした。

・当ブログの内容について、無断掲載、転用を禁じます。

カテゴリ