石橋 武の「多読乱読、言いたい放題!」082

 私が今まで読んだ本のうち、印象に残った本を紹介しています。

● 明野照葉『家族トランプ』
 2010年上梓。
 サスペンスの女王。女性の本性をえぐり出すようなエグイ(?)話が得意な作家ーーそんなイメージを覆すような、清涼感のある作品。例えれば、下町を舞台とした上質なTBSのTVドラマのような作品、といえば当たらずとも遠からず、といったところだろうか。それにしても、こんな当たり前の設定で、ここまで読ませる著者の力量には、毎度のことながら脱帽する。何故に、こうも面白いのか?
 明野氏の巧みさは、主人公の設定にあるのではないだろうか。読者が感情移入しやすい主人公。だから、読者は主人公と一緒に、ストーリーの河を流されていく感覚が持てる。つまり、嵌るのだ。

★モシャの呟き
 『家族トランプ』は、明野照葉氏の小説としては珍しく、ドロドロしていないお話だそうです。
 私は「サスペンスの女王」が描く『家族トランプ』なので、「とある組織が強制的に数組の家族を集め、構成員をシャッフル。無作為に抽出した者同士を組み合わせ、新たな家庭を築かせる。そして、永遠に監視する」お話だと勝手に思っていました。
 私が想像した『家族トランプ』は、中村文則氏の小説並みにダークですね…。思いがけず、自分の心の闇を覗いてしまいました。
最新記事
月別アーカイブ
プロフィール

●ミネルバネオ代表 石橋武
【経歴】
1974年/立命館大学経営学部を卒業し、㈱大阪読売広告社に入社
1994年/現代文講師出口汪氏と大学受験予備校S.P.Sを立ち上げるべく、㈱大阪読売広告社を退社。㈱ミネルバ代表取締役として、大阪、後に東京で大学受験予備校S.P.Sを経営。
2002年/大阪のS.P.Sにて、出口氏が開発した教材「論理エンジン」を使用した個人のお客様向け添削業務や国語特訓塾、学校様・塾様向けの「論理エンジン」販売や指導方法のレクチャーを開始。
2007年5月/㈱水王舎代表取締役に就任し、「論理エンジン」営業のみならず、書籍の企画・販売にも携わる。
2011年2月、㈱水王舎代表代表取締役を退任。
2011年8月/ミネルバネオを設立
趣味は読書、映画鑑賞。MC中心のお笑いオヤジバンドの一員でもある。

●共同執筆者(ペンネーム:モシャ)プロフィール
甲南大学を卒業しました。
ミネルバネオで働いています。
30代半ばを過ぎてしまいました。
よく聴く音楽はプリンス、レディオヘッド、シールなどです。
親戚は人間国宝(陶芸)です。ちなみに私の父方の祖父も陶芸家でした。

・当ブログの内容について、無断掲載、転用を禁じます。

カテゴリ