石橋 武の「多読乱読、言いたい放題!」082
私が今まで読んだ本のうち、印象に残った本を紹介しています。
● 明野照葉『家族トランプ』
2010年上梓。
サスペンスの女王。女性の本性をえぐり出すようなエグイ(?)話が得意な作家ーーそんなイメージを覆すような、清涼感のある作品。例えれば、下町を舞台とした上質なTBSのTVドラマのような作品、といえば当たらずとも遠からず、といったところだろうか。それにしても、こんな当たり前の設定で、ここまで読ませる著者の力量には、毎度のことながら脱帽する。何故に、こうも面白いのか?
明野氏の巧みさは、主人公の設定にあるのではないだろうか。読者が感情移入しやすい主人公。だから、読者は主人公と一緒に、ストーリーの河を流されていく感覚が持てる。つまり、嵌るのだ。
★モシャの呟き
『家族トランプ』は、明野照葉氏の小説としては珍しく、ドロドロしていないお話だそうです。
私は「サスペンスの女王」が描く『家族トランプ』なので、「とある組織が強制的に数組の家族を集め、構成員をシャッフル。無作為に抽出した者同士を組み合わせ、新たな家庭を築かせる。そして、永遠に監視する」お話だと勝手に思っていました。
私が想像した『家族トランプ』は、中村文則氏の小説並みにダークですね…。思いがけず、自分の心の闇を覗いてしまいました。
● 明野照葉『家族トランプ』
2010年上梓。
サスペンスの女王。女性の本性をえぐり出すようなエグイ(?)話が得意な作家ーーそんなイメージを覆すような、清涼感のある作品。例えれば、下町を舞台とした上質なTBSのTVドラマのような作品、といえば当たらずとも遠からず、といったところだろうか。それにしても、こんな当たり前の設定で、ここまで読ませる著者の力量には、毎度のことながら脱帽する。何故に、こうも面白いのか?
明野氏の巧みさは、主人公の設定にあるのではないだろうか。読者が感情移入しやすい主人公。だから、読者は主人公と一緒に、ストーリーの河を流されていく感覚が持てる。つまり、嵌るのだ。
★モシャの呟き
『家族トランプ』は、明野照葉氏の小説としては珍しく、ドロドロしていないお話だそうです。
私は「サスペンスの女王」が描く『家族トランプ』なので、「とある組織が強制的に数組の家族を集め、構成員をシャッフル。無作為に抽出した者同士を組み合わせ、新たな家庭を築かせる。そして、永遠に監視する」お話だと勝手に思っていました。
私が想像した『家族トランプ』は、中村文則氏の小説並みにダークですね…。思いがけず、自分の心の闇を覗いてしまいました。