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石橋 武の「多読乱読、言いたい放題!」104

 私が今まで読んだ本のうち、印象に残った本を紹介しています。
● 赤井三尋『月と詐欺師』。
 2010年上梓。
 ある時代を調べる。それも徹底して。そうすると、その時代の物理的な状況から住人の気質までが仄かに見えてくる。一言でいえば、その時代の空気。そして、そこに「悪」を仮想する。その時代ならではの「悪」の形。その「悪」が、どのような悪行を為し、善意の人たちをどう傷つけるか。そして、傷つけられた人たちは何を思うか。その「悪」を懲らしめるにはどうすれば良いか、を仮想する。しかし、仮想はあくまで現代の私たちが読んで、感情移入し、楽しめなければならないという条件付きだ。そこで「普遍」ということが必須となる。この作品は、見事にそれらをクリアした極上のエンターテイメントである。
 舞台は1930年代の大阪。中之島公会堂、瓦斯ビル等の建造物があり、小林一三という実在の人物が闊歩する商都大阪。大東亜戦争に向け、軍部が大きな力を持ちつつある時代。それらを舞台に、この時代ならではの「悪」を見事に手玉に取る詐欺を企てる。それを遂行する魅力的な人材たち。リーダーの春日、声帯模写のミミック、情報収集のインテリ、女殺しのジゴロ、紅一点の智恵。彼らの人物造形は解説の末國善己氏によれば、映画『スティング』へのオマージュとのこと。彼らが落とすターゲットは灘尾財閥の頭首、灘尾儀一郎だ。エサはレーダー開発。後半のスリリングな展開にハラハラドキドキと息を詰め、大団円にニンマリとほくそ笑む。
● モシャの呟き
 昔、月にまつわる映画を観ました。デヴィッド・ボウイの息子さんが監督をされた作品です。
 地味な映画だったんですが、良かったという印象があります。
 しかし、内容を全くといっていいほど覚えていません。覚えているのは、主人公のシャワーシーンだけ…。私がいかにダメな人間かが、よくわかるエピソードですね…。
 もしかしたら「月」じゃなく、他の惑星にまつわる映画だったかも…。
 その辺まで記憶が怪しいのに、シャワーシーンだけを覚えて…。
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プロフィール

●ミネルバネオ代表 石橋武
【経歴】
1974年/立命館大学経営学部を卒業し、㈱大阪読売広告社に入社
1994年/現代文講師出口汪氏と大学受験予備校S.P.Sを立ち上げるべく、㈱大阪読売広告社を退社。㈱ミネルバ代表取締役として、大阪、後に東京で大学受験予備校S.P.Sを経営。
2002年/大阪のS.P.Sにて、出口氏が開発した教材「論理エンジン」を使用した個人のお客様向け添削業務や国語特訓塾、学校様・塾様向けの「論理エンジン」販売や指導方法のレクチャーを開始。
2007年5月/㈱水王舎代表取締役に就任し、「論理エンジン」営業のみならず、書籍の企画・販売にも携わる。
2011年2月、㈱水王舎代表代表取締役を退任。
2011年8月/ミネルバネオを設立
趣味は読書、映画鑑賞。MC中心のお笑いオヤジバンドの一員でもある。

●共同執筆者(ペンネーム:モシャ)プロフィール
甲南大学を卒業しました。
ミネルバネオで働いています。
30代半ばを過ぎてしまいました。
よく聴く音楽はプリンス、レディオヘッド、シールなどです。
親戚は人間国宝(陶芸)です。ちなみに私の父方の祖父も陶芸家でした。

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