石橋 武の「多読乱読、言いたい放題!」011
私が今まで読んだ本のうち、印象に残った本を紹介しています。
● 夏目漱石『夢十夜』
1908年作品。
掌編集。少しずつ読み、やっと読了した。一編一編が重く、続けて読むことができなかったため、思いの外時間がかかってしまった。数編既読のものがあった。
基本的なテーマは「死」だ。特に表題作である『夢十夜』では、それが通奏低音として響いてくる。印象的なのは、『第三夜』。ホラー小説の原点のような怖い話だ。おぶられた子とおぶった父の会話が冥界へと誘う。最後の一行がひたすら怖い。『文鳥』では淑石の華麗なレトリックに目を見張る。『永日小品』では様々な漱石の顔が見えて面白い。『霧』では霧深いロンドンの街を逍遥し、迷子になる。「どうしたら下宿に帰れるかしらん」。『行列』では観察眼の凄さに感嘆した。最後の数行が暖かな笑いを誘う。
★モシャの呟き
「どうしたら下宿に帰れるかしらん」というセリフの「かしらん」部分に萌えたという事実をここにご報告いたします。
● 夏目漱石『夢十夜』
1908年作品。
掌編集。少しずつ読み、やっと読了した。一編一編が重く、続けて読むことができなかったため、思いの外時間がかかってしまった。数編既読のものがあった。
基本的なテーマは「死」だ。特に表題作である『夢十夜』では、それが通奏低音として響いてくる。印象的なのは、『第三夜』。ホラー小説の原点のような怖い話だ。おぶられた子とおぶった父の会話が冥界へと誘う。最後の一行がひたすら怖い。『文鳥』では淑石の華麗なレトリックに目を見張る。『永日小品』では様々な漱石の顔が見えて面白い。『霧』では霧深いロンドンの街を逍遥し、迷子になる。「どうしたら下宿に帰れるかしらん」。『行列』では観察眼の凄さに感嘆した。最後の数行が暖かな笑いを誘う。
★モシャの呟き
「どうしたら下宿に帰れるかしらん」というセリフの「かしらん」部分に萌えたという事実をここにご報告いたします。