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『逃亡者』

 『逃亡者』は2020年4月中旬に発売された中村文則さんの新刊です。
 ヘビーな内容でした。
 最初にBという恐ろしい人物が出てきてビビりました。が、途中のノンフィクションらしき部分の拷問が壮絶すぎたため、終盤、再びBが登場した際にはBに恐ろしさを感じなくなってしまっていました。
 むしろ、Bは可愛いというか。
 選択肢を提示してくれるだけマシというか、
 あと、主人公の彼女の名前が、志村けんさんを思い出させるため、困りました。
 また、私は登場人物の誰にも感情移入することが出来ませんでした。拷問されている側やBに脅される主人公に感情移入するとしんどいため、できるだけ脅す側であるBに感情移入しようと試み続けましたが、無理でした。
 そして、ふと、Bもどこかの組織の下っ端で、ボスの指示で主人公を脅す役目をさせられてるんだろうなぁと思いました。
 あとカンチ。
 カンチを主人公にした形でこの話を読みたかったと最後に思いました。
 すごくドロドロした話になる気がしますが。
 また、主人公が最初あんなに執着していたトランペットを、最後に簡単に他人に…という場面に私は納得できませんでした。そもそも私なら、最初に知人からトランペットを渡されそうになっても、受け取らないと思います。走って逃げます。が、そうすると物語になりませんね。
 あと、過去の物語の中で拷問シーンが続くため、現代の場面での、拷問シーンなしの死を、軽く感じてしまいました。過去のノンフィクションらしき部分の描写が重すぎ、現代で起こる出来事が大したことのない状況に見えてしまったのが、残念です。
 そして、主人公の元彼女。この人は、私の苦手なタイプの女性です。無理矢理悲劇の主人公になろうとする、その思考回路が苦手です。が、このタイプの女性はいつだって、物語を盛り上げてくれます。そういう意味では、ナイスアシストですね。
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プロフィール

●ミネルバネオ代表 石橋武
【経歴】
1974年/立命館大学経営学部を卒業し、㈱大阪読売広告社に入社
1994年/現代文講師出口汪氏と大学受験予備校S.P.Sを立ち上げるべく、㈱大阪読売広告社を退社。㈱ミネルバ代表取締役として、大阪、後に東京で大学受験予備校S.P.Sを経営。
2002年/大阪のS.P.Sにて、出口氏が開発した教材「論理エンジン」を使用した個人のお客様向け添削業務や国語特訓塾、学校様・塾様向けの「論理エンジン」販売や指導方法のレクチャーを開始。
2007年5月/㈱水王舎代表取締役に就任し、「論理エンジン」営業のみならず、書籍の企画・販売にも携わる。
2011年2月、㈱水王舎代表代表取締役を退任。
2011年8月/ミネルバネオを設立
趣味は読書、映画鑑賞。MC中心のお笑いオヤジバンドの一員でもある。

●共同執筆者(ペンネーム:モシャ)プロフィール
甲南大学を卒業しました。
ミネルバネオで働いています。
30代半ばを過ぎてしまいました。
よく聴く音楽はプリンス、レディオヘッド、シールなどです。
親戚は人間国宝(陶芸)です。ちなみに私の父方の祖父も陶芸家でした。

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