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『凶犬の眼』

 映画化もされた『孤狼の血』の続編です。
 広大を出たエリートである日岡が田舎にとばされ、そこでの話がメインでした。
 日高は祥子ちゃんという田舎の高校生に惚れられるのですが、日高は彼女に冷たいんです。一方、40代の小料理屋の女将晶子の前では、格好良く見えるような男っぽい喋り方で、日高は年上好きなのかなぁと思いました。女性に対する日高の考えが全く書かれていないんで、はっきりわからないのですが。ただ、日高に惚れている祥子ちゃんの想像は、おそらく当たっているだろうから、日高は、意識しないようにしているけれど、晶子が好きなんですかね。晶子は蛸飯を作ってくれますしね。しかも、いつも大量に。
 日高は普段仕事のことしか考えていません。が、極道の方と仕事抜きの感情で懇意になったり(国光との盃のくだりです。)、矛盾するというか、逸脱するというか、脱線するというか、そういうところが多々あります。
 前作でも日高は上司の悪行を許さなかったのに、晶子の凶行を許しました。要するに、自分が認めた人間には甘く、そうでない人間には厳しい日高。
 でも、そのアンバランスさが、魅力といえば、魅力です。
 日高が慕っていた上司である大上。その大上と秘密を共有していた晶子。日高は大上そのものになりたかったのかもしれないな、と思いました。そして、今回の事件を経て、やっと日高は大上に追いつけたんだな、と思いました。
 「根が真面目な日高の着地点が、酒と暴力の日々だった」というのは、不思議なことです。が、妙に納得してしまえるのは、何故なんでしょうか。
 日高がこの先どうなるのか、見てみたい気がします。この先、日高は晶子と付き合うような気がします。もう、日高は心情的に普通の刑事には戻れないだろうから、晶子ぐらいの女性じゃないと、釣り合わないというか。
 同じシリーズの『暴虎の牙』が最近単行本で出たので、文庫本になったら、読みたいと思っています。『凶犬の眼』を読んだ後に『暴虎の牙』をすぐ読む気にどうしてもなれず、本屋に行った際、『暴虎の牙』の単行本を買いませんでした。
 それにしても、孤狼とか凶犬とか暴虎とか。学ランの裏地の刺繍みたいなタイトルばかりで、圧巻ですね。
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プロフィール

●ミネルバネオ代表 石橋武
【経歴】
1974年/立命館大学経営学部を卒業し、㈱大阪読売広告社に入社
1994年/現代文講師出口汪氏と大学受験予備校S.P.Sを立ち上げるべく、㈱大阪読売広告社を退社。㈱ミネルバ代表取締役として、大阪、後に東京で大学受験予備校S.P.Sを経営。
2002年/大阪のS.P.Sにて、出口氏が開発した教材「論理エンジン」を使用した個人のお客様向け添削業務や国語特訓塾、学校様・塾様向けの「論理エンジン」販売や指導方法のレクチャーを開始。
2007年5月/㈱水王舎代表取締役に就任し、「論理エンジン」営業のみならず、書籍の企画・販売にも携わる。
2011年2月、㈱水王舎代表代表取締役を退任。
2011年8月/ミネルバネオを設立
趣味は読書、映画鑑賞。MC中心のお笑いオヤジバンドの一員でもある。

●共同執筆者(ペンネーム:モシャ)プロフィール
甲南大学を卒業しました。
ミネルバネオで働いています。
30代半ばを過ぎてしまいました。
よく聴く音楽はプリンス、レディオヘッド、シールなどです。
親戚は人間国宝(陶芸)です。ちなみに私の父方の祖父も陶芸家でした。

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