ヒステリー化する日本
多少古い話題で恐縮だが、2010年6月「鳩山首相と小沢幹事長が辞任」という記事を読んだ。
鳩山氏は2009年9月に内閣総理大臣になったので、僅か8ヶ月半の在任期間だったということになる。前政権の自民党でも、総理の顔の挿げ替えには凄まじいものがあった。
日本は今やヒステリー状態に陥っているのではないか。
IT長者たちと呼ばれる一群の人たちの出現、ドッグイヤーという言葉に象徴されるように、何でも早く早くと急き立てられるビジネスシーンの現出が、そのはじまりだったように私には思える。
ビジネスという戦場で、誰よりも早く情報をキャッチし、善悪や社会への影響などは後回しに、いち早くビジネスとして成立させる。判断の基準は、いくら儲けられるか、という一点のみ。そして、生き残ったものたちは「勝ち組」と讃えられ、敗れ去ったものは「負け組」と貶められる。「勝ち」「負け」は、結果だけで判断され、道程で払われた知力・労力の質・量は問われない。「勝ち組」が本当に勝ったのか、「負け組」は本当に負けたのか、それらの検証すら行われないまま、次から次へと空虚なサクセス・ストーリーが創りだされ、頒布され、大多数の「勝負に参加できない普通の人たち」を強度の欲求不満に陥れる。
良いも悪いもなく、それが時代の流れだ、とも思う。よって悪人はいない。それぞれの立場で皆、その流れに乗らざるを得なかっただけだ。マスコミでさえも……。
鬱積した欲求不満爆発の一つの現れが、2009年の衆議院選挙の結果であろう。積もり積もった不満は、与党となった民主党に対して「即効性」を求めた。50年に及ぶ自民党一党独裁の溜まりに溜まった垢は、一朝一夕に落とせるものではないだろう。そんなことは分かっている。でも、早く何とかしてくれ! 国民は口々にそう叫び、民衆の見方を標榜するマスコミが、「あれがまだだ、これがまだだ」とヒステリックに煽り続ける。
かくして、世論は形成される。
普天間の問題紛糾の責任を取ってという面が誇張されてはいるが、鳩山首相と小沢幹事長の辞任劇は、ヒステリックなこの国全体の空気がもたらしたとは言えないだろうか。
何度目かの民主党党首交代劇の報道を見ながら、ふとそんなことを考えた。
鳩山氏は2009年9月に内閣総理大臣になったので、僅か8ヶ月半の在任期間だったということになる。前政権の自民党でも、総理の顔の挿げ替えには凄まじいものがあった。
日本は今やヒステリー状態に陥っているのではないか。
IT長者たちと呼ばれる一群の人たちの出現、ドッグイヤーという言葉に象徴されるように、何でも早く早くと急き立てられるビジネスシーンの現出が、そのはじまりだったように私には思える。
ビジネスという戦場で、誰よりも早く情報をキャッチし、善悪や社会への影響などは後回しに、いち早くビジネスとして成立させる。判断の基準は、いくら儲けられるか、という一点のみ。そして、生き残ったものたちは「勝ち組」と讃えられ、敗れ去ったものは「負け組」と貶められる。「勝ち」「負け」は、結果だけで判断され、道程で払われた知力・労力の質・量は問われない。「勝ち組」が本当に勝ったのか、「負け組」は本当に負けたのか、それらの検証すら行われないまま、次から次へと空虚なサクセス・ストーリーが創りだされ、頒布され、大多数の「勝負に参加できない普通の人たち」を強度の欲求不満に陥れる。
良いも悪いもなく、それが時代の流れだ、とも思う。よって悪人はいない。それぞれの立場で皆、その流れに乗らざるを得なかっただけだ。マスコミでさえも……。
鬱積した欲求不満爆発の一つの現れが、2009年の衆議院選挙の結果であろう。積もり積もった不満は、与党となった民主党に対して「即効性」を求めた。50年に及ぶ自民党一党独裁の溜まりに溜まった垢は、一朝一夕に落とせるものではないだろう。そんなことは分かっている。でも、早く何とかしてくれ! 国民は口々にそう叫び、民衆の見方を標榜するマスコミが、「あれがまだだ、これがまだだ」とヒステリックに煽り続ける。
かくして、世論は形成される。
普天間の問題紛糾の責任を取ってという面が誇張されてはいるが、鳩山首相と小沢幹事長の辞任劇は、ヒステリックなこの国全体の空気がもたらしたとは言えないだろうか。
何度目かの民主党党首交代劇の報道を見ながら、ふとそんなことを考えた。